ミックスダブルスを2025年から伝統的なフォーマットを一蹴して、エンターテインメントに全振りしたUSオープン。昨年は奇跡的にミックストップのエラーニ & ババソリペアが優勝して、これまで獲得したことがない1億5000万円という賞金を手にして万々歳だったけど、今年はそうはいかなかった。0か100かで抜本的に課題を解決する方法がアメリカっぽいと感心したので、メモしておく。
結論:日本もいろいろなことでこのくらいガッツリやってほしい。
目次
変更内容とメリットデメリット
そもそもの課題
- ダブルスの試合の人気がない
- シングルスとの兼業選手はシングルスで勝ち進むと出場辞退
- 予選期間を収益化、メディア露出したい
ダブルス観戦の人気がないことは、グランドスラムの観客席を見ていてもわかる。決勝戦でもガラッガラ。見ているこちらが悲しい。シングルと兼業選手とのペアはある時いきなり棄権してたりするし。
さらにファンウィーク。本戦前の週に行われる予選はチケット無料らしい。そう考えるとジャパンオープンはケチだな。まぁ、予選も含めて開催期間のすべてでお金を稼ぎたいのは理解できる。予選と選手の練習でお金を取れないなら、この期間に目玉イベントを作ろうというのはナイスアイデア。
解決策
- ミックスダブルスを本大会前のファンウィークに移動
- シングルスランキングで出場が決まる
- 32ドロー→16ドロー
- 決勝以外はショートセットでスピーディに行う
- ミックスダブルスのトーナメントは2日間でサクッと終わる
- 賞金をペアで1億5000万円に(これまでは3000万円くらい)
出場できるのは16枠。そのうちの8枠が主催者推薦というエキシビジョンマッチ感あふれる構成がすごい。人気があるシングルスのトップ選手が練習ついてでにダブルスの試合に出て、運が良ければ8000万円くらい稼げる、そんな感じ。
真っ先にダブルスでテコ入れ!ブライアンズというテニス史上珍しい人気ペアを輩出したアメリカが行うのは思い切ったと思った。それこそがアメリカ。エンターテインメントショーに振り切ってお金を稼ぐことに優先。ランキングが低く、人気のない選手に用はない。というか、USTAとしては選手のサポートや育成をするけど、その舞台はグランドスラムではないということ。この点もまた、ストラテジックで素晴らしいと思った。
私はATPとWTAの500に実業団レベルの選手が出てくるとイラっとする。日本は年に一度しか開催がないから仕方がないけど、活躍する舞台のグレードが違うから枠がもったいない。
結果
- ファンウィークにメディア露出ができた
- シングルスのトップ選手が優勝
- ダブルス選手はシングルス選手に敵わないと印象づけた
- 決勝でも夜遅い試合、かつ超人気選手でないと空席が目立った
- ダブルス専任選手からは不満
確かにこれまでよりは有名選手が出ることで露出が多いと感じた。今年の決勝はムホバ & メンシク対ベンチッチ & コボッリ。ダブルスにはダブルスの理論やテクニックがあるのはわかるけど、やっぱりシングルスのトップ選手には敵わないんだなと改めて思った。シングルス選手がダブルスにも出たらダブルス専任者は仕事がなくなるとはまさに。
露出もあるし、チケットも 売れて収益化できただろうけど、23:30に行われていた決勝では空席が目立った。やっぱり超人気選手でないと無理があるんだな。
USオープンといえばなアナ ウィンター。76歳なのか。すごいな、元気でファッショニスタで、歳を取ったらこのくらい元気でいたい。と、こんなセレブも来てよかったねと思ったら、アナはフェデラーのエキシビジョンマッチを見に来ていたらしい。ミックスダブルスの試合とチケットは別。
あとはカイア ガーバーも来てた。すごいな。人間としての規格が違う。もう25歳か。シンディ クロフォードの娘でよくこんな良い子に育ったと思う。どんな美貌に生まれても、お母さんが伝説すぎて全身タトゥに鼻ビだらけになってもおかしくないのに。とこんな感じで、きっちりドレスアップしたセレブをお迎えする場にはなった。
ダブルス専任選手からの不満は、プロで興業だと思うと仕方ないかな。お金を払ってみたいと思わせるのは、残念ながらうまいかどうかだけじゃない。
個人的に思ったこと
ダブルスの面白くなさはそのまま
ダブルスの試合をおもしろくないと感じるのは、ディサイディングポイントやスーパータイブレークがあるため実力より運な気がするため。ショートセットだと、ダブルスそのものの面白さを伝える。
あとははっきりいって、ペアがコロコロ変わるのもおもしろくない。
グランドスラムの競技と言えるのか
一応”4大大会”というブランドがあるはず。歴代の優勝者に続いて、改善策のフォーマットで勝った人をグランドスラム優勝者とひとくくりにするのは違うようなと思った。
優勝しても「ふ〜ん」なご本人たち
決勝の後には表彰式 優勝ペアも準優勝ペアもスピーチは心がこもっていなかった。とりあえずGS1勝にカウントされるならラッキーみたいな。
優勝したムホバとメンシク。
準優勝のベンチッチとコボッリ。
どちらもスピーチに心がこもっていなかった、が私の感想。たとえばシングルスやダブルスで勝ったら、どれだけ喜びを爆発させるか。なんとなくユナイテッドカップだったっけ?オーストラリアで開催していたプレマッチの雰囲気に似ていると感じた。
ということで
こんな感じに大改革のミックスダブルス2年目が終了した。
アメリカらしい完璧なPDCA
課題を洗い出し、その原因を特定し、優先順位をつけて効率よく改善できる策を練る、実施し、調整すべき点を見つけてブラッシュアップ、その繰り返しという日本の啓蒙系のコンテンツでよく見るいわゆるPDCAを完璧に回している。
特にすごいのは、効率の良さの基準が結果にあるところ。一番早く、一番結果が出るところを最初に突く。日本社会との差はここだと思う。世間体、一時的な損失なんかが怖くて最も手に入れないといけないことに着手しない。個人的にはUSオープンのテコ入れは興味深く見ている。
自分がするのはダブルスなのに観戦はしない観客
一番の謎と改善ポイントはここなのではないかと思ってる。プロテニス観戦で人気なのは男子シングルス。だけど一般人がプレーするのはダブルス。日本よりもシングルスをする人数は多いとしても、ヨーロッパでは社交の意味も強いだろうし、ダブルスをするそうだ。
にもかかわらず、観戦しない。ダブルスをしている人に聞きたいのだけどなぜ?プロの試合が超ハイレベルだとしても、参考になることはあると思うのだけど。謎。謎すぎて謎。
こんな感じで私はとても楽しみにしています。来年もどうなるか。1億6000万円ってすごい。選手にとってはお年玉みたいなものなんだろうな。




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